私はアメリカに留学時、ホームステイ先が60代のシングルマザーでした。
初めは人数いっぱいのホストファミリーに憧れていたので、内心がっかりしていましたが、今ではシングルマザーで1番良かったなと思っています。
ホストファミリーがシングルマザーであった生活内容や、メリット、デメリット、おかげで英語がすごく上達した話をしていきたいと思います。
私はスターバックスの発祥の地、シアトルで1年間留学をしていました。
専門学校の団体で留学に行き、アサインされたホームステイ先でみんなそれぞれお世話になりました。
出発の3ヶ月ほど前、ホームステイ先の写真と、ホストファミリーの年齢やペット、住所など情報などをもらいました。
80人で行ったメンバーそれぞれにホストファミリーが発表され、子供がいる家、ペットを飼っている家、シングルマザーの家などそれぞれでした。
私は以前高校生の時に行った留学先が4人家族だったので、今回もそんな感じで明るい家がいいなと思っていました。
発表されて手渡された紙には、笑顔のシングルマザーの写真や情報が色々と書かれていました。
周りにもシングルマザーの家にアサインされた子が結構いました。
私の隣に座っていた親友は可愛い子供が3人いる5人家族で、正直いいなぁと思ってしまいました。
シングルマザーの家庭だと、
・仕事にマザーが出てしまって家で一人になって英語に触れる機会が少なくなるんじゃないか
・寂しい家なんじゃないか
・手伝いをする家事の負担が大きいのではないか
・イベントに参加できる機会が少ないんじゃないか
・家に子供がいない環境で、マザーと2人で何を話せばいいのか
など、ほとんど偏見ですが、そんな風に悪いように考えてしまっていました。
ホストマザーに手土産をたんまり買い、
3ヶ月後アメリカ🇺🇸留学に行きました。
空港からバスで学校に着くと、
みんなのホストファミリーが待っていました。
ずらっと生徒が前に並び、ホストファミリーが後ろで固まって座っていました。
一人ずつ生徒が名前を呼ばれ壇上に上がると、ホストファミリーが花束や風船をいっぱい持って迎えに来てくれました。
そこで迎えに来てくれたホストマザーは笑顔いっぱいで、とても嬉しかったのを覚えています。
その家はホストマザーと猫一匹で、普通の大きな一軒家でした。
アメリカの家は大きいですね!
その家は留学生が住める部屋が2部屋あり、たくさん留学生をとる家だったのですが、その時は私一人でした。
マザーとの生活が始まり、わたしは他の人より、物凄いスピードで英語が上達しました。
一緒に行った留学生の中で、結構早い方だったと思います。
それは、半分が自分の勉強、もう半分がマザーのおかげです。
マザーは元CAでもう退職、早くに離婚をしており、家で一人で暮らしていました。
向こうも毎日話相手がいるのが嬉しかったらしく、毎日ご飯を一緒に食べ、映画をみて、一緒にアイスやホットチョコレートを楽しみ、家にいる時間は、勉強している時間や部屋にこもってる時間以外、ほとんど一緒にいたように思います。
毎日毎日、マザーはわたしに今日はどうだった?素晴らしいわね、私はこうだったよと毎日毎日2人で話しました。
ほぼ毎日映画を家でみて、パズルをして、買い物も一緒にいつも行っていました。
特に意識をしていませんでしたが、なかなかずっと一緒にいたように思います。
半年ほど2人で暮らし、2人だけのスタイルが整ったころ、1ヶ月だけ日本人2人がきて、それと交代で中国と香港の子と一緒に暮しました。
留学生が家に増えてからは、今までほどずっと一緒ではなくなりましたが、すぐにみんな短期でホームステイを終わってしまった為、また2人の生活が始まりました。
ほぼ2人でいつも過ごしていたことで、ヒアリングとスピーキング、またいつもいろんな話や体験をする事で語彙力もすぐに上がりました。
毎日毎日聞いてくれるので話そうと思って単語を日々分からなかったことを見直したり、
毎日毎日マザーの綺麗な英語を聞いているので、マザーの声や英語の喋り方が頭に流れていて、無意識にイントネーションや文法、連語など自然と覚えていました。
このあとにはこう続く、というのが無意識に考えなくとも身についていました。
regarding to-
the piece of-
However does it take-など日々同じ人から同じ英語を聞いているので、もう嫌でもすぐに覚えてきます。
マザーの正しい綺麗な発音とものすごい情報量の中で、すごく成長できました。
また、シングルマザーで良かった事は、家にいる人が他の家庭より少ないため、必然的にする家事や役割が増えます。
そのたびに生活をしながら自然と英語を覚えれたのも良かったです。
私は2週間に1回のトイレ掃除、たまに洗濯干しやゴミ捨て、一緒に料理を準備したり一緒に買い出ししたり、家事はそんなにしていませんが、マザーと一緒に家事に関わる機会は多かったです。
シングルマザーの家庭であることのデメリットは、
マザーがバリバリで仕事をしている場合、やはり接する時間は減ります。
私のマザーは仕事は定年後でボランティ活動をしていましたが、
他の家で仕事をしているマザーの家は、やはり忙しく、
食事も用意してあるものをそれぞれ各自で食べて、
遅く帰ってくるマザーとあまり会うこともないというところもありました。
また、いろんな話題や機会なども限定されるように思いました。
そのマザーの年齢の話題に限られるし、行くところもその人の好みが中心だし、
色々なところに行く機会や、家にマザーの友達がくるのも、
マザー1人の仲のいい人に限られるので、他の家族よりはイベントは少なかったと思います。
最後の方にわたしはマザーと色々喧嘩するようになって、ホストチェンジをしました。
ホストチェンジする家庭はたまにいて、私の行った学校も何人かしていました。
チェンジをした理由は予定管理の厳しさと、制限の多さなどです。
毎日前日の20:00頃までに、キッチンにある紙に明日は授業後どこに誰と行って、何時にどっやって家に帰ってくるか報告していました。
予定が決まってないことも多いし、予定がなくなることも変更になることも多いのに、いちいち友達に明日はどうしようと決めて、その日の気分でいろいろ決めたいのに、なかなかしんどかったです。
制限の多さというのは、
ゴム手袋をつけてトイレに手を突っ込んでスポンジで掃除しないといけない、
帰宅が遅くなる場合は連絡しないといけないなど他の家にはない制限がいろいろあり、しんどかったです。
お互いしんどかったので最後は別れてよかったのかもしれません。
その後私はアメリカでの最後の1、2ヶ月を別のホストファミリーのところで過ごしました。
そのファミリーは3人家族でした。
父母娘の家で、そんなに仲良くはなりませんでした。
なんかお互い干渉しない感じで、差し支えなく生活した感じです。
そこで思ったのは、ホストファミリーが何人もいると機会が分散されてしまうんだなということです。
やはり家庭内に人数が増えると、もちろんいいこともたくさんありますが、
話す機会、一緒に何かをする機会など、チャンスが減ったように感じました。
4人で食卓を囲むと色々な話が聞けますが、
その分自分が話す機会は減ります。
また、どんなに良いホストファミリーでも、それぞれ過ごしてきた今までの家庭があるため、
そこまでどっぷり話し込んだりはできません。
もちろん話も振ってくれるし、色々聞いてくれますが、やはりどこかで気を遣われていて、そこまで「自分が」「自分の話題や主体で」話すことは本当に少ないです。
それを思うと、長いあいだシングルマザーの家庭で生活できて本当に良かったなと思います。
今はまだマザーと少ししか和解もしておらず帰国してから連絡も一度しかしていないので、また手紙を書いて会えれば会いたいと思っています。
お互い他人で2人きりで、噛み合わない性格だと致し方ないことも多々あります。
ただ本当にお世話になったので、また楽しく喋れたらと思います。
ホストファミリーがホストマザーというのは、とてもいいことだと思います。
これから留学に行かれる方も、ぜひ安心して、行ってきてください。
留学中ホストと関わる時間はかなり多いです。
学校前、学校後、休みの日など意外と長く時間を過ごすため、その時間を大切に、どんなことからでも学んでいったら大丈夫です。
少しでも1分1秒でも英語に触れる機会を増やし、ぜひ頑張ってきてください。